●6月29日(日) 主日礼拝
奏楽
招詞(イザヤ32:15-17)
讃詠 546
信仰告白 (使徒信条)
讃美歌 24
聖書 イザヤ書40章27-31節 (旧約1125頁)、ヨハネによる福音書20章19-23節 (新約210頁)
祈り
讃美歌 225
説教 「聖霊に導かれて、新しい一歩を」 長老 岡 宣明
祈り
讃美歌 333
献金
主の祈
頌栄 543
黙祷
報告
☆今週の祈りの課題「夏期の教会の歩みのために」
2025年6月29日の説教
聖書:イザヤ書40章27-31節
ヨハネによる福音書20章19-23節
説教:「聖霊に導かれて、新しい一歩を」 鶴見教会長老 岡 宣明
本日は高松牧師に代わってこの礼拝の説教を務めさせていただきます。6月8日のペンテコステ礼拝と、その後の鶴見教会の明日を皆で考える会を受けて、改めて私たちの使命である伝道について、一緒に祈りつつ考える時としたいと思います。
ペンテコステ礼拝では、ペンテコステは聖霊の降臨を通じて神様の力が信仰者に与えられ、教会が誕生した日であること。また弟子たちが祈りを合わせたように、現代の信徒も一致して祈り、神様の導きを求める姿勢が重要であること。そして神様は不完全な者を愛と力によって用い、教会の使命を果たされることが高松先生により語られました。
階下での教会の明日を皆で考える会では、発題をして下さった方々より、家庭内や周りの人のために日々悩み祈る姿が共有されました。また信仰の受け止め方は多様であること、その上で本質がどこにあるのか考えるきっかけを得ることができました。また地域に根ざした伝道と若い世代の信仰継承についてのお話も伺うことができました。グループに分かれた話し合いでは様々な声を聞くことができました。心を込めて手紙を書いたり、また日常の何気ない会話の中でも伝道を意識していることが共有されました。また様々な困難や葛藤についても共有されました。あの会で皆さんが共有してくださった声は、私たち一人ひとりが神様の使命に向き合う中で感じる率直な心の動きだと思います。
鶴見教会、そして日本キリスト教会全体は、近年、さまざまな困難に直面してきました。コロナ禍による礼拝や集会の変化、教会員の高齢化、教職者の不足、キリスト教や宗教に対する向かい風など。これらの試練は、私たちに恐れや不安を抱かせ、時に立ち止まらせます。しかし、ヨハネ福音書20章のイエスの言葉は、こうした恐れの中にあっても、私たちに新しい一歩を踏み出す力を与えます。イエスは「聖霊を受けなさい」と言って、私たちを生まれ変わらせ、使命へと遣わされます。今日、聖霊の導きによって生まれ変わり、恐れを乗り越えて新しい一歩を踏み出すことについて、ご一緒に考えましょう。
ヨハネ福音書20章の場面で、弟子たちは恐れの中にいました。イエスの十字架の死後、彼らはユダヤ人指導者たちを恐れ、戸に鍵をかけて隠れていました。心にも鍵を掛けて自分を閉じ込めていました。そんな彼らに、復活のイエスが現れ、最初に言われたのは「あなたがたに平和があるように」です。この言葉は、単なる挨拶ではありません。十字架の前にイエスを見捨てて逃げ出した弟子たちに対する、「そんなあなたたちであっても、神様は共にいて下さる」という赦しの言葉でもありました。イエスは、弟子たちの恐れや不安を包み込み、平安を与えるために来られたのです。
そして20節に「弟子たちは、主を見て喜んだ」とあります。これはまさに解放された喜びではないでしょうか。罪に支配され、恐怖の中で自分を閉じ込めて隠れていた弟子たちは、イエスの言葉によって新しく生まれ変わって喜びの中で生き始めることができました。喜ぶ弟子たちにイエスは再度言われます。21節から22節「『あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。』そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。『聖霊を受けなさい。』」 創世記2章ではアダムが鼻に命を息を吹き込まれたことによって命を与えられました。これは命の息でした。神様が魂を吹き込んで下さるのです。私たちクリスチャンは復活されたイエスから命の息を吹きかけられています。そしてそれによって私たちは新しく生き始めることができます。
恐れて鍵をかけて閉じ籠っていた弟子たちは復活のイエスに出会って息を吹きかけられ、喜んで押し出されていきました。命の息を吹きかけられた人は解放されてもと居た場所から押し出されてゆきます。頑なで弱い私たちにも神様の方からそばに来て下さって、息を吹きかけて聖霊を与えて下さいます。そうすると、それまでの自分から解放されて押し出されてゆくのですね。
私たち鶴見教会も、現代のさまざまな恐れに直面しています。コロナ禍で礼拝の形が変わり、対面での交わりが制限されたことで、教会のつながりが薄れるのではないかという不安。地域社会で福音を伝える機会が減り、教会の存在感が薄まってしまうのではないかという恐れ。若い世代にどうやって福音を届ければいいのか、答えが見つからない焦り。こんな罪深い信仰薄い自分がという思い。これらの恐れは、私たちを内向きにさせ、行動をためらわせます。
しかし、イエスは今日も私たちに「あなたがたに平和があるように」と語りかけておられます。この平和は、状況が全て解決された時に与えられるものではなく、恐れの中にあっても与えられる神様の賜物です。イエスは弟子たちに、恐れを乗り越える力として聖霊を与えました。私たちもまた、聖霊によって生まれ変わり、新しい一歩を踏み出すことができるのです。
イエスは弟子たちに息を吹きかけ、「聖霊を受けなさい」と言われました。この聖霊は、私たちを新しくし、恐れを希望に、弱さを力に変える神様の力です。6月8日のペンテコステ礼拝で、私たちは聖霊の働きを共に覚えました。聖霊によって、弟子たちには大胆さと知恵が与えられ、福音を宣べ伝える力が注がれました。この聖霊の恵みは、過去の出来事に留まらず、今日の私たちにも豊かに注がれています。
聖霊による生まれ変わりは、私たちの心を変えます。聖霊は、私たちの内なる恐れやためらいを取り除き、福音を伝える情熱を新たにします。
また、聖霊は私たちの視点を変えます。目の前の困難ばかりに目を奪われていた私たちに、より隣人の苦しみや心の渇きに気付く目をくれるのです。聖霊によって生まれ変わる時、私たちは「自分にはできない」と思う心から、「神様が共におられるならできる」と信じる心へと変えられ、新しい一歩を踏み出す勇気が与えられます。
現代の私たちには、聖霊の導きと共に、デジタルトランスフォーメーションという新しい道具が与えられています。デジタルトランスフォーメーションはDXとも呼ばれていますが、情報通信技術によって私たちの生活が大きく変化したことを表す言葉です。これまでも印刷技術によって聖書が誰もが手に取れるものになりましたし、音響技術によってこのように広い場所で多くの人に語り掛けることができるようになりました。伝道の手段はその時代時代の最新の技術によって大きく形態が変わってきたということです。現代はこの情報通信技術の発達によって新たな礼拝や伝道の形態が生まれています。
鶴見教会でも、コロナ禍をきっかけにオンライン礼拝を導入し、遠方に住む方や体調を崩して教会に来られない方も一緒に礼拝を守る喜びを共有することができるようになりました。私の父も召される前に、体調的に教会に来られなくなった時は礼拝のライブ配信にあずかっていましたし、意識がなくなる直前には高松先生からLINEのビデオ通信で平安を頂くことができ、あの時の平安に満ちた表情ははっきりと思えています。
YouTubeでの礼拝配信、Zoomを使った聖書の学びと祈りの会、SNSでの特別礼拝の発信――これらは、従来の対面の伝道では届かなかった人々に福音を届ける新しい一歩です。
しかし、もちろんDXには課題もあります。デジタルツールに不慣れな教会員へのサポートですとか、オンラインでは「交わり」が希薄になってしまうことも課題です。デジタルとアナログの良さを組み合わせる試行錯誤を今後も続けていくことになりますが、必ず神様によって鶴見教会にふさわしい道が示されます。これらの新しい一歩は、聖霊の導きによって、恐れを乗り越えて踏み出す使命の一部です。
イエスは弟子たちに「父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」と言われました。この遣わしは、大きな成果をすぐに求めるものではありません。一人ひとりが、自分の場でできる小さな一歩を踏み出すこと。それが、聖霊の力によって大きな実を結ぶのです。
6月8日の教会の明日を皆で考える会では、皆さんから様々な手段の伝道が共有されました。
● 神学生を献金で支えること
● 特別礼拝のチラシに手紙を添えて送ること
● 地域活動を通じて信仰の種を撒くこと
● 普段の生活のさりげない会話も伝道ととらえること
● 神様を身近に感じる祈りの生活が、伝道の基盤であること
例えば、周りの方に教会のクリスマスイベントを気軽に紹介する、SNSで一つの聖書の言葉を投稿する、オンライン礼拝に友人を招待する――こうした小さな行動が、誰かの心に福音の種を蒔きます。私たちが恐れずに新しい一歩を踏み出す時、聖霊がその先に道を開いてくださるのです。
鶴見教会が直面する困難は、私たちの信仰を試し、成長させる機会です。聖霊によって生まれ変わり、恐れを乗り越えて新しい一歩を踏み出す時、私たちは神様の使命にあずかります。
イエスが「あなたがたに平和があるように」と言われたように、聖霊の力によって、私たちは平安と希望をもって前進できます。今日の礼拝が、私たち一人ひとりにとって、聖霊に導かれて新しい一歩を踏み出す力を受ける時となりますように。一人ひとりが、自分の場で小さな一歩を踏み出し、聖霊の導きに信頼して歩み続けられるよう、お祈りしたいと思います。
新型コロナウィルスへの対応の一環として、やむを得ず礼拝に出席できない方のために
新たにYouTubeによる主日礼拝のオンライン配信と今週の礼拝音声の公開を開始しました。
また、毎週の礼拝終了直後(12:30ごろまでに)速やかに音声ファイルをアップロードする予定です。
※再生の途中で停止するなど、うまく再生できない場合には、音声ファイルをダウンロードしてから再生してください。
※音声ファイルの公開方法(参考情報)